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■新年特別
企画 「百人一首と富士筒茶碗」
本年も光房コラムをよろしくお願いします。
お正月にカルタに親しんだ方、いらっしゃいますか?
小倉百人一首から4首めの歌を選び
茶道具(右写真)と合わせてみました。
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ご承知のように出典は新古今集、原歌は万葉集。
異なる点の一つが結句で、
つつ(百人一首)と「ける(万葉集)」・・などと
このコラムのために、
学生時代の授業を振り返るなどしたのですが
心にしっかり浮ぶのはやはり
「日本のみとごとな風景」としての富士。
「富士は日本一の山・・」と幼い時に唄ったことが
懐かしく思い出されます。子ども心にも、
厳かな神の山として親しみをもっていました。
(IS)
小倉百人一首(4)
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
山部赤人
万葉集(原歌)では
田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にぞ
富士の高嶺に 雪は降りける
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↑黒釉富士筒茶碗 5,565円(税込)
申込番号 FU-1
いつまでも、雪が降りゆき、語られゆく霊峰。そのくっきりした印象が楽しめます。
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*以下は弊社で試みた結句解釈です。
◆万葉集の原歌では「今」
「雪は降りける」の「ける」は目の前の情景描写。シーンは「真っ白に富士の霊峰に雪が降っていた」という今見ているもの。
◆百人一首では「今そして未来」
「雪は降りつつ」の「つつ」は反復継続の助辞。長い時の経過を表します。「雪が降っては積もり、これからも降り積もっていく」という抽象的なシーンです。
◆万葉集の長歌では「未来」
原歌(反歌です)の前にある長歌の締めくくりは「 語り継ごう神々しい富士を」と「未来」を示しています。では方程式は?
(MU)
万葉集の長歌(未来)+原歌(今)
=百人一首(今そして未来)
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