ロゴ
 
 

     

光房コラム 2006年1月7日(土) 
 
 


新年特別 企画 「百人一首と富士筒茶碗」
本年も光房コラムをよろしくお願いします。

お正月にカルタに親しんだ方、いらっしゃいますか?
小倉百人一首から4首めの歌を選び
茶道具(右写真)と合わせてみました。

  **
ご承知のように出典は新古今集、原歌は万葉集。
異なる点の一つが結句で、
つつ(百人一首)と「ける(万葉集)」・・などと
このコラムのために、
学生時代の授業を振り返るなどしたのですが
 

心にしっかり浮ぶのはやはり
「日本のみとごとな風景」としての富士。
「富士は日本一の山・・」と幼い時に唄ったことが
懐かしく思い出されます。子ども心にも、
厳かな神の山として親しみをもっていました。

                 (IS)

     小倉百人一首(4)

  田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 
    富士の高嶺に 雪は降りつつ
     
            
                   山部赤人


     万葉集(原歌)では

   田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にぞ 
     富士の高嶺に 雪は降りける   
                                   





  黒釉富士筒茶碗 5,565円(税込)
 申込番号 FU-1
いつまでも、雪が降りゆき、語られゆく霊峰。そのくっきりした印象が楽しめます
 

 
  *以下は弊社で試みた結句解釈です。
万葉集の原歌では「今」
「雪は降りける」の「ける」は目の前の情景描写。シーンは「真っ白に富士の霊峰に雪が降っていた」という今見ているもの。
百人一首では「今そして未来」 
「雪は降りつつ」の「つつ」は反復継続の助辞。長い時の経過を表します。「雪が降っては積もり、これからも降り積もっていく」という抽象的なシーンです。
万葉集の長歌では「未来」

原歌(反歌です)の前にある長歌の締めくくりは「 語り継ごう神々しい富士を」と「未来」を示しています。では方程式は? (MU)

 万葉集の長歌(未来)+原歌(今)
   =百人一首(今そして未来)

 


 


 
   
   


   
 

  

     


Copylight(C) since 2004
Fukusa-Kobo All Rights Reserved.
*
無断転載はご遠慮ください