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光房コラム 2006年7月09日(日)
 
茶道具控帳---青磁(せいじ)

青磁のイメージは
古代の澄んだ大気や、静かな水面、
そして東洋の神秘的な勾玉(まがたま)や玉(ぎょく) 。
宝石の翡翠の色も脳裏にうかびます。

ちょっと難しいですが技術面でいうと、青磁とは、
鉄分を微量に含む釉を厚くかけ、
窯に空気が入り込まないようにして
酸欠状態で焚き (還元焔焼成し)、
ガラス化させ青から緑の色を表したものをいうそうです。

この焼成技術は2世紀頃から中国各地の窯で成熟し、
豊かな釉調が完成していきました。
その後朝鮮でもさまざまに展開しています。

このように長い歴史をもつ青磁は、時々に極みを見せ、
それぞれその固有の美しい釉調が讃えられています。
代表例には、
中国では9世紀唐時代の越州窯「秘色青磁」、
12世紀南宋時代では龍泉窯「粉青色」があります。
朝鮮半島では12世紀頃の高麗青磁「翡色」が代表です。
日本にも大陸から多くの名品がもたらされました。

さてここで楽しいクイズ。
10世紀末頃成立の「枕の草子」に
「青き瓶」が登場します。
はたしてこれは青磁なのでしょうか。
青磁だとしたら、どんな色あいだったのでしょうか。

  高欄のもとに、青き瓶の大きなるを据ゑて、
  桜のいみじうおもしろき枝の、
  五尺ばかりなるをいと多く挿したれば、
  高欄の外まで咲きこぼれたる昼つ方 
           「枕の草子」第二十段より 





せいじちゃわん じゅりんいんこくもん
青磁茶碗・樹林陰刻文
11,550
円(税込) 
申込番号 018 - 715
・栄山窯・約 径12.3×高さ7.5cm
・木箱入
 

樹木文を線彫りした天目形の茶碗です。

透明な青磁釉の深い見込みを
樹木がつくる緑陰とすれば、涼しさが、
森そのものとすれば、通年に向く
深閑としたさわやかさが
伝わってきます。
青磁の魅力をさまざまに楽しめる逸品。


※記事作製時の商品です。詳細は
目次からご覧ください
。売切等による  

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