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光房コラム 2006年9月12日(火)
 


茶道具控帳---被せ綿
(きせわた)と菊
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秋の気配が感じると
思い出すもののひとつが
「きせわた」という菓子です。
文字通り、
「被せ綿(きせわた)」という行事を
菓子にうつしたものといいます。

「被せ綿」は
旧暦9月9日
「重陽(ちょうよう)の節句」に行います。

前日8日の夜、菊に真綿を被(き)せておき、
その芳香と露が移った真綿を
翌9日朝に
肌へあてると、
体内の老いを拭いさるというのです。


この
若さと延寿を願う 行事は
紫式部日記や枕草子にも
エピソードが書かれています。

さて菊は、中国原産で
日本には薬草としてもたらされました。

旧暦9月9日は、新暦では10月末になり
ちょうど菊が咲くころ。
こんな行事があったことも理解できますね。

暮らしでは衣替えのころ。
合いの季節(
春秋)に着ていた袷(あわせ)の中へ
薄く真綿をいれて綿入れにし
やがて訪れる冬の寒さに備えました。


「重陽の節句」で行う「被せ綿」とは、
秋から冬への移り変わりを楽しみながら
邪気を払おうとする 行事であり、
そこで使用する「綿」は、
冬の衣服に使用する材料でもありました。




********** 一口メモ ***********
真綿 (まわた)とは

繊維を繰れないくず繭を煮て、
引き延ばしてつくった「絹のわた」。
よくのびて強く、
軽く暖かい。
布団わたや紬糸(つむぎいと)の原料にする。

「木綿のわた」の布団をつくるときには、
この絹の真綿をごく薄く引き延ばしたもの(引き綿)で、
木綿のわたを包み、ちぎれないようにする。


******************************





純白の菊に 薄い真綿が
ふんわりとかぶさっているよう。

花びらを透かし、
そして
立体的に見せてくれたのは
厚くかかった
置き上げを思わせる釉。





白菊茶碗
6,720 円(税込) 
申込番号
020 - 1224
与平作
約 口径12.0×高さ8.0cm
化粧箱入
拡大はここをクリック





胴のまわりには
小菊を思わせる象嵌の小花も
いくつか飛んでいます。

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