雀(すずめ)の物語
クライマックスにすずめが登場する物語といえば
森鴎外の『山椒大夫(さんしょうだゆう)』 。
老女が雀をおいながら、
「安寿恋しや ほーやれほ 厨子王恋しや ほーやれほ
鳥も生(しょう)あるものなれば、
疾(と)う疾う逃げよ、
逐(お)わずとも」と歌っていたところ
生き別れていた子、厨子王がそれを聞いて母だと気付き、
ついに再会することができたのでした。
過酷な運命にあいながらも
雀という小さな生き物に情けをかける歌が印象的です。
ご紹介の茶碗には、
厨子王の母の心情に応えるかのように、
楽しげに飛ぶ雀たちが描かれています。
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