「源氏物語」と藤袴
おなじ野の露にやつるる藤袴
あはれはかけよ かごとばかりも
夕霧の中将 御歌
第30巻「藤袴」で夕霧は、玉鬘の姫君へ
「おなじ縁に繋がる私の恋を、少しでもあわれと
思っていただきたいのです」という意味の歌をおくりますが
つれなく拒否されてしまいます。
そのあわれな藤袴ではありませんが
現在の藤袴も、ちょっとあわれな状況になっています。
「野生種の藤袴」が絶滅危惧種となっており、
よく見かけるもののほとんどは園芸種だとか。
茶道具や茶花で藤袴に出あうときには
ぜひことのことに心を寄せたいものです。
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